キャロットクラブにおける出資戦略
出資者決定方法の特徴に合わせた戦略設計
シルク・ホースクラブに関する投稿でも記載したが、出資者決定方法は各クラブで違いがあり、それが各クラブの特徴といえる。
キャロットクラブは、母馬優先制度、最優先制度の2つに対応した戦略を実行していかなければならない。先に述べておくと、私はキャロットクラブに2名義で入会している。これは最優先制度に対応していくためにとっている手段で、入会費、月会費は2倍かかってしまっているが、それをカバーできるくらいのメリットがあると考え、昨年無事に2名義目の入会に成功した。後ほど詳述したい。
母馬優先制度への対応
母馬優先制度において、母馬に出資していたということの優位性についてはすでにご理解いただけているかと思う。よって、ここでは将来母馬として活躍してくれそうな馬にどのようなアプローチで出資していくのがよいかというのを私なりの視点でお伝えしたい。
①ノーザンファーム(または白老ファーム)出身の馬を選ぶ。
②血統的に濃すぎるクロスがある馬は避ける。
③2~3勝以上できそうな馬、もしくはいわゆる良血馬を選ぶ。
①については、牝馬の場合、その馬の生産牧場で繁殖入りする可能性が高いからである。そうなれば自然と、将来仔馬がキャロットクラブで募集される可能性が上がる。もちろん他クラブで募集になる可能性も十分にあるが、確率を上げるという意味では重要なアプローチである。
②については、そもそも健康上の懸念もあるが、血統的に飽和状態になりつつある日本競馬界において得策とは言えないからである。
③毎年数十頭の牝馬が募集される中で、すべての馬がノーザンファームや白老ファームで繁殖牝馬としての第二の馬生を送れるとは限らない。そこで、やはり競争成績が優秀な馬や良血といわれる馬は、ノーザンファームや白老ファームで繁殖入りできる可能性が高くなるからである。
以上の理由から、キャロットクラブにおいては、将来的な母馬優先を見越した先行投資が有効になってくると考えている。とはいえ、走る馬を見極めるというのは非常に難しいので、私の場合は、キャロットクラブにおける牝馬について、よほど高回収率を狙えると考えた馬以外は基本的には1/400口のみの出資として、なるべく広く浅く申し込んでいる。ただ今のところはクラブ人気がすさまじくなかなか出資に至っていないのが現実である。
私自身は、キャロットクラブに入会して今の2歳馬が5世代目なので、まだその便益にあずかれていないが、繁殖入りした馬、今後できそうな馬もちらほら現れているので、引き続きこの方針を続けていきたい。
最優先制度への対応
以前にも記載したが、キャロットクラブにおける最優先制度のヒエラルキーを簡単に記載すると、以下の通りとなる。※母馬優先を除く場合
最優先(前年度、前々年度最優先落選)・・・A
>最優先(前年度最優先落選)・・・B
>最優先(前年度最優先当選)=最優先(前年度新規入会)・・・C
>一般
仮にA,B,Cとしたが、1会員当たりに付与される権限はAorBorCのいずれか一つということになる。そして、最優先馬に当選した場合、次年度はCからのスタートになるため、次年度は出資したい馬が人気になってしまった場合、出資できない可能性が高い。
そのため、有効な手段として考えられているのが、複数名義持ちである。例えば2名義持っているとすると、うまくタイミングをずらしてさえいれば常にどちらかの名義ではB以上の権利で出資申し込みができるということになる。3名義になればさらに上位の権利を持ち続けることも理論上可能である。
私の場合、Aの権利を持っていないと出資できない馬は年数頭であり、かつ人気の馬に必ず申し込みたくなるかというとそうでもないので、今のところはコストとのバランスを考えて2名義にしている。
個人として、2名義持つことが可能なのかどうかは把握できていないが、よくあるのは配偶者の名義で入会するパターンや、個人と法人名義で入会するパターンなどを耳にする。会員としての維持コストは倍かかるため、お財布との相談になるが、他クラブに入会するのと大差ないと考えてみれば、アリな選択ではないかと思う。
まとめ
以上のことから、母馬優先制度に対しては将来募集される可能性を上げるというアプローチを重視するため、なるべく多い頭数に分散投資を行うこと、最優先制度についてはなるべく上位の権利を常に持てるように運用し、これだと思う馬には最大限の投資をすることを出資戦略として掲げている。今年も無敗の皐月賞馬を出したクラブだけに、大切に付き合っていきたい。
最近のコメント