キャロットクラブ全頭評価①

今回の評価の記載について

キャロットクラブの募集馬カタログPDF、動画、測尺が発表されてはや1週間、9/1から一次募集が始まる。

今年のキャロットクラブは、バツなし2名義ということ、他のクラブに予算を回していることから、基本的にはバツ取り、一般で将来の母馬優先に向けた種まきに専念することになりそうである。

全頭評価を進めていくにあたり、今回はA-Cの評価以外に、新規入会できる可能性(中間発表を受けて修正の可能性あり)についても触れていきたい。

今回は、全頭において

総合評価:A-Cの評語

セールスポイント:各馬の良い点

懸念点:各馬の気になる点

という形で進めていきたい。

あくまで個人的な見解なので、そこはご了承の上でご覧になっていただけると幸いです。

全頭評価①

1.ナスケンアイリスの20

評価:A

セールスポイント:肩の立ち具合や胴の詰まった体型と、キビキビしている動きが短距離に必要な要素を兼ね備えている。堅実な活躍が期待できそう。個人的な相性は良くないが厩舎◎。

懸念点:繋ぎの長さや角度も程よく、芝でも行けそうな軽さがあるように映るが、兄弟姉妹の成績を見るとダートの可能性もある。サンデーサイレンスが入っていないのも吉と出るか凶と出るか。募集総額4,800万円と高額のためダート短距離だった場合に、その路線で回収できるか…

2.コケレールの20

評価:C

セールスポイント:雄大な馬体。管囲が太すぎるということが懸念点になるのかについてデータ化できていないので不明だが、その他の数値はこの時期の測尺値としては◎。

懸念点:母高齢の部類に入り、近年母の産駒からは活躍馬が出ていない。こちらもナスケンアイリスと同様にサンデーサイレンスが入っていないのがどう出るか。(関東1,2が両方ともサンデーを持たないロードカナロア、しかも手塚先生と国枝先生って、どちらか大当たりなんじゃないか?という勘ぐりをしてしまう。)

3.ラドラーダの20

評価:A

セールスポイント:名繁殖ラドラーダ待望の牝馬。動きはスムーズで良い。サンデーサイレンスを持たない牝馬ということで、母としても期待大。万が一活躍できなくともアワブラ入りは間違いないとみている。

懸念点:母14歳と高齢の部類に入ってきている。もう少しキンカメ系らしい筋肉の張りがあると尚よかった。

4.シーザリオの20

評価:A

セールスポイント:名牝シーザリオ最後の産駒。姉ロザリンドの産駒も活躍していることから、シーザリオの娘たちが今後も母の名をさらに高めていく可能性は大いにある。馬体のバランスも秀逸。国枝先生◎。

懸念点:母産駒はやはり牡馬の方が活躍馬が多い。シーリア、ファーストフォリオの姉2頭もノーザンファームで繁殖入りすると思われるので、本馬は活躍次第になる可能性もゼロではない。

5.アドマイヤリードの20

評価:B

セールスポイント:個人馬主所有のG1馬の仔がクラブ募集。母の母、ベルアリュールⅡの仔は出走できた馬のうち3/5が勝ち上がっており、うちG1馬1頭、3勝馬1頭、期待の2歳馬ベルクレスタを出しており、ステイゴールドでもハービンジャーでもドゥラメンテでも結果が出ている。繁殖能力にも期待できそう。

懸念点:初仔で牝馬。かつ馬体は小さめということで、多少リスクはある。ただ母も大きな馬ではなかったので、十分なサイズとも言えなくない。また前捌き、後の可動域にも若干の物足りなさを感じる。

6.クルージンミジーの20

評価:C

セールスポイント:全兄のフジノタカネはダート短距離、全姉のナオミラフィネは芝のクラシックディスタンスと広い条件で兄弟の活躍が見られる。ハーツクライ牡馬で募集総額3400万円は格安。5月生まれなので体高は伸びてくると予想される。

懸念点:5月生まれですでに477キロとなかなか大きくなりそうで、兄弟の傾向からいうとダートの可能性が高いか。ハーツクライ産駒にしては安いが、その辺りを許容できるかどうかだろう。

7.マイハッピーフェイスの20

評価:A

セールスポイント:牡馬と見間違うくらいの測尺値。これで4月生まれというのだから驚きだ。セールスポイントに書かせてもらっているが大きいことは同時に懸念点にもなる可能性があることには、留意いただきたい。後肢の可動域が広く、クッション性も高い。ハーツクライ×米国血統で、かつ5代クロスなしなので、繁殖としても期待できる。

懸念点:先に書いたように大きさがどの程度で収まるか。前の出に多少の硬さを感じる。

8.ローガンサファイアの20

評価:C

セールスポイント:見た目のバランスはいい。キビキビした歩きをしている。

懸念点:後肢の可動域が物足りない。測尺値からみても若干薄めな感は否めない。出資馬スターオブエイジアの半弟で、姉が勝ち上がれていない現状、その上の半兄も中央未勝利ということで強気になれない。

9.バウンスシャッセの20

評価:B

セールスポイント:測尺値は非常に良く、体のバランス、歩き、可動域や踏み込みなど非常によく見える。トモがもう少し立派だったら今年の見た目1番馬はこれになってただろう。

懸念点:トモが多少小さくうつる。また、この兄弟は、募集時に非常に良く見せるのに対して実績が伴っていないなかで募集総額8000万円とトップタイの価格も大きな懸念材料。

10.プルメリアスターの20

評価:B

セールスポイント:エピファネイア×ゼンノロブロイは好相性。動きはキビキビとしていて、牝馬らしいピリッとした気性を持ち合わせていそう。

懸念点:懸念というと少し違うが、半妹のレイリオンと本馬の産駒は今年はどちらも父エピファネイア。できでいうとレイリオンの方が好みである。やはりサイズ感に、物足りなさを感じる。

募集締切の9/7までになんとか全頭レビューできるよう進めていきたい。